2008年07月06日

家族狩り その2

5冊(文庫版)の中で語られる、
登場人物たちの心理や置かれている状況は、
ほとんどが、救われない話の連続で、
(誰もが、ひどい精神状態だし)

もうこの社会は絶望的だとさえ思える内容だったが、
(そしてそれは、決してフィクションだとはいえない)






2つの、光り輝くエピソードにより、
この悲しい物語に希望を与えていた。






刑事を夫にもつ、精神を病んだ中年の妻。
ふらふらと倒れこんだ時に、見ず知らずの若者に助けてもらった。

「自分も以前に、見ず知らずの人に助けてもらったんです」

  誰かが助けてくれた
  その誰かも、別の誰かに助けてもらったと言っていた
  いいことができてうれしいと言っていた
  これは順番なんだと

  だから、君も誰かになにかしてあげるといい




この中年女性は、息子を亡くしている。
この若者に受けた善意、それが彼が言うように、順番なのだとしたら、
ずっとさかのぼっていくと、自分の死んだ息子に行き当たりはしないか。
私たちが亡くしたあの子が、私を助けてくれたことにならないだろうか。






「親の因果が子に報い」
などと言って、先祖たちの悪行のせいにする考えもあるが、

同じ回っていくなら、
あたたかい行為が、善意が回っていくというこんな考え方を、
私はしたい。








それから、高校の教師だった男が、
教え子で、すぐに学校を辞めてしまったから顔も名前も覚えていなかった生徒と再会し、
心を回復させていく話。

中退、でき婚、染めた髪、それらに偏見を持つ人は多く、
私も確実にその一人で、
もちろん偏見をもたれるような行為をしている輩が多いのも確かだが、
この人間模様が、きりきりした物語に、
ちょっと一息つかせてくれたことは、とても重要だと思う。






最後に、
この前まで見てたドラマ「ラストフレンズ」の最終回から。
上野樹里たんが言ってたセリフ。





「この世の中って、そんなに悪くないよ。」









posted by おくさま at 19:02| Comment(2) | TrackBack(0) | 今日のごきげん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まっすぐにコメントするには重い内容です
私の勤めるところには8000人の職員がいますが、最大3人にひとりが統合失調症の予備軍だそうです
以前は精神分裂症と言われていた病気です
これは我々の職場に限ったことではないでしょう
それだけ難しい時代というか
人間って難しいのかもしれません

いっぱい書きたいことがありますが
あなたの結びのことばのように

世の中ってそんなに悪くないよね
そういう瞬間を忘れないでいたいです






Posted by シュガ at 2008年07月07日 23:10
これ、アップルさんに借りた本なんです。
読後、アップルさんとちょっと感想を話し合ったんですが、

「こんなに誰も彼も傷抱えてたらすごいですね」
「でも、あながちありえないとも言えないんだよね、それが一番こわいかもね」


ただ、否定してたって何もよくならないから、
せめてポジティブに生きたいですよね!
Posted by おくさま at 2008年07月08日 22:51
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