2009年11月12日

トゥナイト!!

劇団四季「ウエストサイド物語」を観てきました。

NEC_1438.JPG





最近、よくミュージカルを観ていますが、
そもそも私のミュージカル体験というと、
舞台で観るというよりは、映画で観るスタイルなんです。

一番最初に観たミュージカルは、確実に「サウンド・オブ・ミュージック」!
「ウエストサイド物語」は、たぶん高校の音楽の時間に観たのが最初だと思います。
(教科書に「Tonight」が載っていた)

その後も「王様と私」など、やはり映画として観ることが多かったですね。




ストーリーは、簡単に言えば、現代版ロミオとジュリエット。
しかし、そこに差別問題を絡ませているのが、
この映画の奥深いところ。

ジェット団とシャーク団の対立。
正直言って、チンピラどものちんけな争いです。

しかし、ジェット団はアメリカの下層の少年たち、
シャーク団は、プエルトリコ系の移民たち。

人種差別、貧富の格差、ワーキングプアなどの問題が山積みです。

劇中で、ジェット団が自虐的に歌うシーンがありますが、
親も環境もまともではなく、故に教育も職も与えられない。
そこから抜け出せない鬱憤、社会への反発。
こんなだから、どうせおれたちはチンピラさ、何が悪い?
というような、開き直りさえあります。

肌の色で、アメリカ人がプエルトリカンをののしりますが、
下層の者が、さらに差別をすることによって、
自分たちを守っているのです。

対立する二つのグループの男女の恋愛は、成立するわけがありません。
この悲恋の形は、いろいろな作品で繰り返されてきた定型ともいうべきものです。
ありえないものへの憧れなのでしょうか。

ていうか、そもそもそういうことには、あんまりならないと思うんだけど(苦笑)







四季版も、踊りまくって踊りまくって、踊りまくる感じでした。
とにかく、このミュージカルは、踊ってなんぼです。
映画でのダンスシーンも、とても見ごたえのあるものでしたが、
舞台をところせましと踊る役者さんたち。
そして、その後普通に歌うわけですから。
ソンケーです。





印象的なダンスも多いんですよね、
たとえば、マリアとトニーが初めて出会って、
お互いに見つめ合うシーン。

向かい合って、ふらりふらり。
心境をすごく表していますよね〜。



ダンス合戦で表す、二つのグループのいさかいとかも、
言葉で表現するより、わかりやすい。

しかし、四季は日本語で歌うので、
歌詞がやっぱり、なじみません。
というか、曲がどれも有名すぎて、日本語詩が合わないんですよね。

「Cool」は、
「ボーイ、ボーイ、のぼせるな〜、おちつけ〜」
・・・て言われてもなあ(苦笑)



男女の生活感の対比が面白い「アメリカ」
特徴的なリズムも、とても楽しい。








もう、とにかく、音楽がすばらしい。
美しいメロディだけじゃない。
緊迫感を出したり、迫力を出したりするために、
不協和音もたくさん。

ミュートした金管楽器も効果的に使われています。

音楽に関しては、宮川彬良さんが研究されていて、
わかりやすい分析をしています。
目からうろこです。

増4度の秘密!ですよ!
簡単に言うと、役を音階に当てはめて、
その関係を考えていくと・・・

ドとファ♯、そしてソ、この三つの音がキーです。

そう言われてみると、
ドファ♯ソを使っている曲は、たくさんあります。

トニーがマリアを想って歌う「マリア」も
ピリピリと張りつめた緊張感の中歌う「クール」
全然タイプは違うけど、どちらもドファ♯ソです。



こちらのサイトで紹介されています↓

http://moonlightcafe7.blog83.fc2.com/blog-entry-135.html




このミュージカルは、だいたい薄暗い雰囲気の中進行します。
街の入り込んだ路地とか、ゴミゴミした通りとか、
酒場とか落書きされた壁とか。

一度だけ、舞台の上に装置が何も置かれず、
まぶしいほどに明るく広々した場面がありました。

その空間では、ジェット団もシャーク団も、
手を取り合って踊るのです。
初めて見るような、穏やかな笑顔で肩を寄せ合い、横切っていく。
トニーとマリアも、ここでは誰に気兼ねすることはないのです。

そこでかかるのが「somewhere」



不協和音やミュートされた金管などで表現される緊迫感や、
激しいリズムやアクセントのつけられたメロディなど、
割ととがった感じの曲が多い中、
唯一といっていいほど、穏やかでシンプルな美しい曲。

白昼夢のようなこのシーンは、
現実ではない、理想の世界。
差別がなかったら。貧しくなかったら。争いがなかったら。
物語の中だけのことではありません。

憎しみ合って、その末にはずみとはいえ、殺人が起こってしまう。
そして、復讐・・・
復讐が復讐を生み、また憎しみの連鎖が続く・・・

どうして憎しみ合わずにいられないのでしょう。

その美しい旋律を聴きながら、理想のまぶしい世界を観ていたら、
涙が流れてしかたありませんでした。
あう〜。







だんだん、四季の感想ではなく、物語自体の感想のようになってきた・・・(笑)
posted by おくさま at 19:33| Comment(4) | TrackBack(0) | 今日の音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ウエストサイドストーリーって舞台で
色んな人がやっているね。

劇団四季って多分一度も観たことがないんだけど
パスピエさんは結構観てるよね。
作品にもよるのかなそれともどの作品も素晴らしいの?
Posted by みほまめ at 2009年11月14日 20:36
私も、四季は「ライオンキング」と二つしか見てなくて、
しかも正直、それほど好きでもない(苦笑)
セリフ回しというか、活舌が独特なんだよね〜。

ただ、やっぱりお金がすごくかかってるし、
役者さんたちもすごく努力してるから、
見る価値はあると思うけどね。

Posted by パスピエ at 2009年11月15日 09:40
なるほど!
ドファ♯ソですね!
とてもよくわかります。
たしか映画版はジョージ・チャキリス???
中学のころ見たような。
トゥナイトとアメリカくらいしか覚えてないや
Posted by sugarball@病院 at 2009年11月16日 15:53
そうです、J・チャキリス!濃いですよね〜。
ちゃんと、舞台でも似た感じの人がやってました。

聞いたら、もっと知っている曲があると思いますよ〜。
吹き替えとはいえ、皆さん歌上手!
Posted by パスピエ at 2009年11月17日 10:34
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。